中古車購入ガイド
更新日:2023.04.25 / 掲載日:2023.03.17
【BMW 3シリーズ】安くなった先代、ねらい目グレードは?
輸入車の売れ筋プレミアムセダンといえば3シリーズ。1970年代に登場して以来、日本の道路事情にもマッチしたコンパクトなボディが人気の秘密だ。モデルチェンジを重ね、2019年に登場した7代目(G20)が現行モデルとなっている。しかし、中古車で探すならお買い得な6代目(F30)がねらい目。今回はグレード別の相場動向を探り、買いの1台を探ってみたい。
BMW 3シリーズ(6代目/F30)ってどんなクルマ?
2012年1月、3シリーズがフルモデルチェンジを受けた。エクステリアは、低い位置に配置されたヘッドライト、ワイドなキドニーグリルを採用することで、ロー&ワイドなイメージを強調。インテリアは、ドライバーの方向に7度傾斜したコックピットを採用し、運転に集中できるようにした。また、8.8インチワイドコントロールディスプレイを標準装備し、ナビやマルチメディアの情報が読みやすくなったこともトピック。先代と比べてわずかにサイズアップし、全長は4625mmとなった。同時にホイールベースも15mm拡大され、室内のゆとりもアップしている。
当初設定されたパワートレインは、245馬力の2.0L 直4ターボ+8速AT(328i)。その後、6気筒モデルやハイブリッド、ディーゼル、プラグインハイブリッドなど多様なパワートレインが展開された。また、ボディタイプはステーションワゴン(ツーリング)に加え、5ドアハッチバック(グランツーリスモ)も登場。一方、従来のクーペとカブリオレは4シリーズに名称が変更され、この世代以降は3シリーズのラインアップから外れている。
改良遍歴は?
2012年4月、2.0L 直4ターボの「320i」が追加された。同年7月には「アクティブハイブリッド3」、また8月には4WDモデル「320i xDrive」とディーゼルの「320d ブルーパフォーマンス」、9月にはステーションワゴンのツーリングが追加となった。
2013年8月、衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全装備を全車標準装備。同年6月には新ボディタイプのグランツーリスモが登場。
2014年8月には前方との車間距離を維持しながらか減速を行い、車両停止まで行うアクティブクルーズコントロールを標準装備(320iセダンのMT車を除く)。同年10月には、装備を厳選し価格を抑えた「320i SE」が追加された。
2015年8月、マイナーチェンジを受けた。新デザインのLEDヘッドライトとLEDフォグランプを全車標準装備。リアコンビランプの意匠も変更され、よりスポーティなスタイルとなった。ガソリンエンジンも新世代のものになり、新開発3.0L 直6ターボ(340i)が登場。そのほか、サスペンションなども刷新され、快適な走りを実現した。
2016年1月、PHEVの「330e」を追加。2.0L 直4ターボに高出力モーターを組み合わせ、システムトータル出力252馬力/42.8kgmを発揮。36.8kmの距離を電気のみで走行可能となっている。
2016年5月、「320d」に新世代ディーゼルエンジンを搭載。最高出力は6馬力アップの190馬力、最大トルクは2.1kgmアップの40.8kgmを発揮。JC08モード燃費は従来から10%向上した21.4km/Lを実現する。
2016年9月、エントリーモデル「318i」が登場。新世代モジュラーエンジンである1.5L 直3ターボを搭載し、最高出力136馬力、最大トルク22.4kgmを発揮。JC08モード燃費は17.2km/Lを実現している。
BMW 3シリーズ(6代目/F30)のグレード別中古車相場は?
先代3シリーズは、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、PHEVと豊富なパワートレインを設定。さらに2.0L 直4ターボには「320i xDrive」を設定するなど、4WDモデルも用意している。各グレードは装備内容の違いで「モダン」、「ラグジュアリー」、「Mスポーツ」など複数の仕様を選ぶことが可能。ここでは、パワートレイン別の中古車相場をみていきたい。
「318i」
2016年9月に追加されたエントリーモデルが「318i」。1.5L 直3ターボを搭載し、136馬力/22.4kgmを発揮する。バランサーシャフトを備えた軽快な吹け上がりで、エントリーモデルながらもスポーティな走りが楽しめる。中古車平均価格は172万円。それなりに物件が揃っており、探しやすいモデルである。
「320i」/「320i xDrive」
デビューイヤーから生産終了まで設定され続けた量販モデルが「320i」。184馬力/27.5kgmの2.0L 直4ターボを搭載する。また、同じエンジンを搭載する4WDモデル「320i xDrive」も設定されている。中古車物件は最も豊富で、先代3シリーズの中心的なグレードである。その大半が、専用内外装やスポーツサスペンションを装備する「Mスポーツ」。中古車平均価格は、「320i」が183万円、「320i xDrive」が178万円。
「328i」/「330i」
前期型の上級モデルが「328i」で、「320i」と同じく2.0L 直4ターボを搭載するが、245馬力/35.7kgmと、よりハイスペックになっている。2015年のマイナーチェンジ以降は「330i」として設定され、252馬力/35.7kgmに出力が高められている。なお、どちらも4WDが設定されないので注意。また「330i」は、2016年以降はツーリングのみの設定となった。中古車平均価格は「328i」が118万円、「330i」が物件数が少なく算出不可だった。ほかのグレードよりも物件が少なく、探しにくい状況となっている。
「340i」
2015年のマイナーチェンジ以降に設定された3.0L 直6ターボ搭載モデルが「340i」。326馬力/45.9kgmのハイパフォーマンスを誇る。M3を除けば3シリーズの最上級グレードに位置し、「ラグジュアリー」と「Mスポーツ」のみしか設定されない。発売当初の新車価格は776万円と高額なモデルだった。それゆえ流通している物件数は極端に少なく、M3よりも希少なグレードとなっている。中古車平均価格は340万円。
「320d」
2.0L 直4ディーゼルターボを搭載する「320d」。当初は「320dブルーパフォーマンス」という表記だったが、後に「320d」となっている。184馬力/38.7kgm(初期型)と、ディーゼルらしい高トルクが自慢のモデルだ。「320i」に次いで物件数が多く、買いやすい状況にある。中古車平均価格は179万円と、ガソリン車とほぼ同じ相場なのも魅力だ。
「アクティブハイブリッド3」/「330e」
3.0L 直6ターボにモーターを組み合わせたハイブリッドモデルが「アクティブハイブリッド3」。システムトータルで340馬力を誇るなど、「340i」に並ぶハイパフォーマンスが魅力のグレード。それでいながら、4気筒ガソリンエンジン並みの低燃費も持ち合わせている。しかしマイナーチェンジを前にカタログラインアップから外れ、マイナーチェンジ後には2.0L 直4ターボのプラグインハイブリッド「330e」が登場した。いずれも物件は少なめで、中古車平均価格は「アクティブハイブリッド3」が170万円、「330e」が389万円。
※中古車平均価格は2023年3月時点のデータ。
まとめ
人気のスポーツセダンである3シリーズは、輸入車の鉄板チョイスゆえ物件豊富で買いやすい。先代モデルでも認定中古車はまだ残っているほか、専門店も豊富なので、輸入車がはじめてのひとにもオススメできるモデル。しかしグレードが非常に多く、どれを買ったらよいのか迷いやすいのも事実。買いやすいのは、ガソリン車なら「320i」、ディーゼル車なら「320d」。いずれも物件が豊富で、好みのボディカラーや仕様を自由に選べる。多くが100万円台後半の予算で探せるのも魅力だろう。